Release 劇場公演
新国にて2026年2月から、新国立劇場演劇研修所第19期生による修了公演『社会の柱』が上演決定!
2025年12月26日
ヘンリック・イプセン初期の名作『社会の柱』
現代にも通じるテーマを鋭く描き出す会話劇に第 19 期生が挑みます。
新国立劇場演劇研修所では、第 19 期生修了公演として、『社会の柱』(作:ヘンリック・イプセン、翻訳:アンネ・ランデ・ペータス、演出:宮田慶子)を、2026 年 2 月 10 日(火)から 15 日(日)まで、新国立劇場小劇場にて上演します。

『社会の柱』は、近代劇の父ヘンリック・イプセンによる写実主義的社会劇の初期の戯曲です。舞台はノルウェーの小さな港町、物語の中心となるのは、有力な実業家で、町の領事のカルステン・ベルニックです。ベルニックの家族との関係、町の商人たちと進める鉄道敷設事業計画の行方、彼が過去に犯した過ち、それらが絡み合って物語が複雑に展開する会話劇です。
資本主義社会の理想、リーダーとなる人間の倫理観、自由と尊厳など、現代にも通じるテーマを鋭く描き出す作品です。
演劇研修所では本作は、第 13 期生がペータス氏の新訳で上演(2020 年)して以来、二度目の上演になります。演出の宮田慶子演劇研修所長をはじめ、前回から続いて担当するスタッフ陣が作品の深化を支えます。
2023 年入所の第 19 期生は、8 月に演劇研修所では 4 年ぶりとなった朗読劇『少年口伝隊一九四五』(演出:栗山民也)、11 月には高い熱量の台詞の応酬が続く『トミイのスカートからミシンがとびだした話』(演出:田中麻衣子)を上演し、大きな注目を集めました。基礎の習得から、第一線の演出家との作品作りまで、徹底してプロの舞台俳優に必要な力を養った 3 年間の研修生活を経て、いよいよ修了公演に臨みます。第 19 期生の集大成となる公演に、どうぞご期待ください。

第 19 期生公演 朗読劇『少年口伝隊一九四五』
(作=井上ひさし、演出=栗山民也)
撮影:宮川舞子
第 19 期生公演『トミイのスカートからミシンがとびだした話』
(作=三好十郎、演出=田中麻衣子)
撮影:宮川舞子
<ものがたり>
ノルウェーの小さな港町。有力な実業家で領事のカルステン・ベルニックは、妻のベッティー、13 歳になる息子のオーラフとともに品行方正な生活を送り、”社会の柱”として人々から尊敬を集めていた。
新たに、町の商人たちと鉄道敷設事業計画を進めているさなか、ベッティーの弟ヨーハンとその異父姉のローナが帰国する。2 人は 15 年前のある事件で町を去り、アメリカに渡っていた。若き日の過ちが再びカルステンの前に立ちはだかり、歯車は段々と狂いだす。
カルステンの過去の過ちとは……そして、鉄道事業に隠された秘密とは……。
<スタッフ>

作:ヘンリック・イプセン Henrik IBSEN
「近代演劇の父」と呼ばれ、シェイクスピア以降最も盛んに上演されている劇作家。1828 年ノルウェー生まれ。50 年、処女戯曲『カティリーナ』を執筆。浪漫主義期、思想劇をへて、近代リアリズム劇を確立。その後、象徴主義的な傾向の作品を描いた。主な戯曲として『ペール・ギュント』『人形の家』『幽霊』『人民の敵』『野鴨』『海の夫人』『ヘッダ・ガーブレル』『棟梁ソルネス』『小さなエイヨルフ』など。生涯に戯曲 26 作および詩集 1 作を発表。1906 年没、国葬。

翻訳:アンネ・ランデ・ペータス Anne Lande PETERS
演劇研究家・翻訳家。ノルウェー人。神戸生まれ。宣教師である親とともにノルウェーと日本の間を行き来して育つ。早稲田大学で落語を研究。翻訳には、ヨン・フォッセ『誰かひとり』(3 月東京中野のザ・ポケットで上演予定)、『僕は風』日本語訳ほか、新国立劇場では長島 確との共訳でイプセン『ヘッダ・ガーブレル』『海の夫人』、ヨン・フォッセ『スザンナ』を手がけている。ノルウェー語訳には三島由紀夫『近代能楽集』、岡田利規『部屋の中の鯨』『三月の 5 日間』などがある。現在、オスロ大学イプセン研究センター主催〈イプセン・イン・トランスレーション〉の一員として、イプセン現代劇 12 作を日本語に翻訳中(幻戯書房出版)。
演出:宮田慶子 MIYATA Keiko
劇団青年座所属。翻訳劇、創作劇、ミュージカル、オペラと多方面にわたる作品を手がけ、演劇教育や日本各地での演劇振興・交流にも積極的に取り組む。(公社)日本劇団協議会常務理事。2010 年~18 年新国立劇場演劇芸術監督をつとめ、『ヘッダ・ガーブレル』『わが町』『おどくみ』『朱雀家の滅亡』『負傷者 16 人-SIXTEENWOUNDED-』『るつぼ』『長い墓標の列』『つく、きえる』『永遠の一瞬-Time Stands Still-』『三文オペラ』『海の夫人』『パッション』『月・こうこう、風・そうそう』『君が人生の時』『プライムたちの夜』『消えていくなら朝』、また、オペラ『沈黙』(12・15 年)を演出。16 年 4 月より新国立劇場演劇研修所長。所長としての演出作品に『MOTHER-君わらひたまふことなかれ』『美しい日々』『るつぼ』『社会の柱』『マニラ瑞穂記』『理想の夫』『ブルーストッキングの女たち』『流れゆく時の中に―テネシー・ウィリアムズ一幕劇―』。
<キャスト>
新国立劇場演劇研修所 第 19 期生
- 井神 崚太 いがみ りょうた (兵庫県出身)
- 大田 真喜乃 おおた まきの (京都府出身)
- 菊川 斗希 きくかわ とき (山口県出身)
- 﨑山 新大 さきやま しんた (静岡県出身)
- 田村 良葉 たむら かずは (秋田県出身)
- 千田 碧 ちだ あお (長野県出身)
- 辻󠄀坂 優宇 つじさか ゆう (大阪府出身)
- 中島 一茶 なかじま いっさ (神奈川県出身)
- 野仲 咲智花 のなか さちか (千葉県出身)
- 向井 里穂子 むかい りほこ (滋賀県出身)
- 森 唯人 もり ゆいと (大阪府出身)
- 和田 壮礼 わだ たけのり (大阪府出身)
新国立劇場演劇研修所 修了者
- 日沼 りゆ ひぬま りゆ (第 15 期修了)
- 小林 未来 こばやし みく (第 17 期修了)
- 立川 義幸 たてかわ よしゆき (第 17 期修了)
- 篁 勇哉 たかむら ゆうや (第 18 期修了)
<公演概要>
新国立劇場演劇研修所第 19 期生修了公演 『社会の柱』
作 : ヘンリック・イプセン
翻 訳: アンネ・ランデ・ペータス
演 出: 宮田慶子
美 術: 池田ともゆき
照 明: 中川隆一
音 響: 信澤祐介
衣 裳: 西原梨恵
演出助手:日沼りゆ(第 15 期修了)
舞台監督:松浦孝行
出 演: 新国立劇場演劇研修所 第 19 期生
井神崚太 大田真喜乃 菊川斗希 﨑山新大 田村良葉 千田 碧
辻坂優宇 中島一茶 野仲咲智花 向井里穂子 森 唯人 和田壮礼
日沼りゆ(第 15 期修了) 小林未来(第 17 期修了)
立川義幸(第 17 期修了) 篁 勇哉(第 18 期修了)
後 援: ノルウェー大使館
演劇研修所長: 宮田慶子
主催・制作: 新国立劇場
会 場: 新国立劇場 小劇場
公演日程: 2026 年 2 月 10 日(火)~15 日(日)
チケット料金:A席 3,850 円 B席 3,300 円 U25席 1,650 円 Z 席(当日券) 1,650 円 ※いずれも10%税込
*クラブ・ジ・アトレ会員ほか、各種割引はありません。
*U25 席は、ご観劇当日に 25 歳以下の方が対象です。Web ボックスオフィスのみでのお取り扱いです(電話予約不可)。
入場時、チケットと共にご年齢を確認できる証明書(コピー不可)をご提示ください。
*就学前のお子様のご同伴、ご入場はご遠慮ください。
*2 月 14 日(土)公演は、託児室<キッズルーム「ドレミ」>がご利用になれます。(定員制/要予約/有料)
【チケットのご予約・お問い合わせ】
新国立劇場ボックスオフィス TEL:03-5352-9999 (10:00~18:00)
新国立劇場 Web ボックスオフィス https://nntt.pia.jp/
新国立劇場 演劇研修所について
新国立劇場演劇研修所は、明晰な日本語を使いこなし、柔軟で強い身体を備えた次世代の演劇を担う舞台俳優の育成を目指しています。研修期間は 3 年間で、原則として週 5 日間、午前 10 時~午後6 時のレッスンを、年間を通して行っています。
1・2 年次は基礎的俳優訓練とともに、第一線の演出家や俳優指導の専門家を軸とする講師陣による基礎的な訓練およびシーンスタディを行い、3 年次には修了に向けて数本の舞台実習公演を行います。
修了者は、新国立劇場公演のみならず、さまざまなプロデュース公演に出演、映像作品への出演、声の仕事など、活躍の場を広げています。
●新国立劇場演劇研修所ウェブサイト:https://www.nntt.jac.go.jp/dramastudio/
●動画「10 分でわかる!新国立劇場演劇研修所」:https://www.youtube.com/watch?v=vukQT4ZRJac
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